ミートボールの極意!

ミートボールの極意!

シェフの視点を学び上達する方法

日本在住のあるアメリカ人の方からインタビューを受けた際に、「日本の食べ物の摂取量は本当に少なくてびっくりする。自動販売機の缶コーヒーなどは、試飲サンプル」と言われ、思わずなるほどとうなずいたことがあります。

ミートボールもこのケースにピッタリ。
日本でミートボールと言うと、一口サイズの小さい肉団子がいくつも入った料理ですが、アメリカでは野球ボールぐらいの大きさで豪華なもの。

イタリアはどうかと言うと「ポルペッティ」という郷土料理名で、アメリカのそれに近く、「肉団子」ではなく「球体の煮込みハンバーク」。ゴロンゴロンとした2~3つくらが入った、肉の旨味がたっぷり味わえる大変美味しい料理です。

球体にこねた肉は、焼かずにそのままトマトと一緒にに煮込むことが多く、肉汁たっぷりで、日本風の焼いて煮込む「煮込みハンバーク」とは全く違った、イタリアンならではのさっぱりとした味わいが楽しめます。

この料理の美味しさを引き出す調理のポイントは、
①肉の生臭みをソースに出さない
②肉汁を閉じ込め、ジューシーさを出す
③つなぎを工夫することで、お肉のパサつきを防ぐ
④肉の脂をおさえて、食べ飽きず、さっぱりと最後まで食べられる
ことです。

ポイントが押さえられれば手間も少なく、大変美味しいポルペッティが作れ、お弁当としても、また多めに作り、常備菜としても大活躍です。

今月のオンライン講座では、ポルペッティに夏野菜の具材を色々混ぜ込み、野菜もたっぷり摂れ、ローストパプリカをソースに混ぜ込み、パプリカの甘味と旨味を引き出す調理法をレッスンします。

肉料理なのに野菜が存分に楽しめるポルペッティの作り方。ぜひこの機会にチェックしてみてください。

ちなみに、前段の日本の食べ物の摂取量が少ないというアメリカ人の方の指摘は、日本人は健康的な摂取量になっているという見解です。

量は質にも大きく左右されるもので、単一的な食材を多量に摂るのでなく、野菜や肉や様々な食材をバランス良く取り入れ、食感や風味も含めて、それぞれの味わいを一体として楽しめる料理が理想ですね。

このアメリカ人の方、ミラー和空さんとの対談は、色々な日本らしいこと、しかし我々日本人が全く気づいていないことへの様々な視座が、書籍となり出版されています。
社会、制度、伝統、食文化などから読み取れる、日本人らしさの本質が読み解ける大変興味深い本です。
ぜひお手に取って読んで頂けたらと思います。

「アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る13人との対話」ミラー和空著 講談社

www.amazon.co.jp/dp/B015FM7KN2

「シェフのお店は、イタリア料理に出会ったというより、イタリア語の献立から、日本料理を再発見したー」。

出版されてから何年もたった今でも、大変嬉しく思っています。

8月のオンライン講座

今月は作りおきがきいて、いろいろな料理に展開できる「ロースト茄子のオリーブオイル漬」と「ローストパプリカのオリーブオイル漬」とその展開料理を取りあげます。

茄子やパプリカの他、この時季ならではの糸カボチャ、枝豆、トウモロコシ、オクラ、モロヘイヤ、甘長唐辛子、トマトなど、夏野菜をふんだに使い、サラダや煮込み料理、パスタなどをレッスンします。

ぜひこの機会に伊崎シェフから野菜料理を習ってみてください!
皆様のご参加、お待ちしております。