楽しいオーブン調理

楽しいオーブン調理

オーブンで調理することは、コンロの上で調理する場合と、作る上での考え方は全く同じですが、オーブンとコンロで決定的な違いがあります。

それは、オーブンは空間自体が熱せられて、360度のあらゆる方向から食材が加熱される一方、コンロは、鍋など高い温度になった所から加熱されていく調理がゆえに、異なった食材の仕上げ方が出来るという点です。

オーブンは、360度から加熱されることで、全体がパリッとなり、中はジューシーに仕上がります。

これは、食材の持つ水分が蒸発し、表面の水分が瞬時に乾燥するため、パリッと焼けるのです。

表面がパリッとなってくると、水分が蒸発しにくくなるので、ほど良く内側に水分が残り、中がジューシーになるのです。

逆に、パリッとならないのは、熱が弱いため、蒸発すべき水分が表面に残ってしまい、パリッと焼けない場合か、加熱時間が短く、余分な水分が抜けきらず、パリッとならないケースです。

ですので、オーブン料理は、あらかじめ決めた温度にしておく「予熱」がとても重要ですし、食材の特性や大きさに応じた、温度と焼き時間が、料理の良しあしに大きな影響を与えます。

では、どうすれば食材に応じた温度と焼き時間を見極められるようになるのでしょうか?

それは、言ってしまえば「調理経験と使う食材を知ること」に尽きるのですが、プロの様に沢山の経験を重ねられない家庭料理となれば、なかなかの至難の業。

そこで、一番確実な方法はご自身の基準として最初はレシピ通りに作ってみることです。

同じ食材を高い温度で短時間焼くのと、低めの温度で長い時間焼くのとでは、火が通る点では同じでも、仕上がりは全く異なります。

その食材の美味しさを引き出す時間と温度をレシピを通じて体験することで、ご自身のオーブンや食材を知る大きな一歩になります。

単に加熱して火を通すだけでないオーブン料理。

「何となく上手に出来た」ではなく、「上手にできた(あるいは失敗した)理由がはっきり分かる」ことで、料理作りがさらに楽しくなると思います。

ぜひ、ご自身のオーブンで、ご自身のオーブン料理を楽しんでみてください。

ちなみに、パンを冷凍保存されているご家庭は多いと思いますが、トースターなどで焼き直す際に、あらかじめ温度を高くしたトースターにパンを入れ焼いてみてください。

外はパリッと、中はフンワリの美味しいパンが焼きあがります。

温度が高くない状態で入れて焼いたパンとは格段にパリッフワッとさが違うことが実感できると思います。

ぜひお試しあれ!

11月のオンライン講座

今月のオンライン講座は、ホームパーティやクリスマスなど、食卓を華やかに、にぎやかにしてくれるオーブン料理を今月のオンライン講座で取り上げます。

見た目も豪華で前菜にも主菜にもなる「秋鮭のパイ包み焼き」と、パーティの主役になる丸ごと一羽の「地鶏とじゃがいものロースト」の2つをレッスンします。

この機会にぜひ伊崎シェフから直接習ってみてください!